だれしも年に1度か2度はかかってしまう、もっともポピュラーな病気が風邪です。西洋医学では、ウィルスが主な原因となって、鼻やのどなどに急性の炎症を起こす呼吸器系の病気として扱われ、一般的に「風邪症候群」と呼ばれています。
では、どうして「カゼ」のことを「風邪」と書くのでしょうか?
これは、東洋医学の基本的な発想にかかわってくることですから、まずここから説明していきましょう。
東洋医学では、病気をひき起こす原因の一つとして自然界の気象条件をあげています。それが、風・寒・暑・湿・燥・火の6つです。これ自体は、すぐに人体に害を及ぼすわけではありません。ところが、身体が弱っていたり、環境の変化があまりに激しかったりした場合、これらが邪気となって悪さをし、人間は病気になると考えられています。
風の邪気が、つまり風邪というわけです。東洋医学では、背中からこの風の邪気が入り込むと考え、その入り口となるのが、背中の内側にある「風門」というツボだとしています。
背中のこのあたりがなんだかゾクゾクしたと思ったら、とうとう風邪をひいてしまった。こんな経験をされた方も多いのではないでしょうか。
風邪の予防には、「風門」から冷たい風が入ってくるのを防ぐため、首や肩のあたりに直接、風があたらないようにするのが有効な手段となります。真冬の季節、マフラーを首に巻きつけるのは、おしゃれのためだけでなく、こんな立派な理由があったわけです。
最近風邪をひきやすい、風邪がなかなか治らないと思ったら、ぜひ鍼灸治療(はり灸治療)をうけてみてください。免疫力を上げて、風の邪気に悪さをされにくい体づくりを目指しましょう。